ものすごく今さらですが、冬コミ新刊原稿に向けて臨焼けを読み返したので、プロット作成中の気分転換及び頭の整理を兼ねて感想などつらつらと書いてみます。
・車椅子について始めはすごくびっくりして…表紙絵が発表になった時には、ショックで一瞬言葉が出ませんでした。
いやでも臨也さんのことだから車椅子はダミーかも?と淡い期待を抱きつつ、本文を読み進むうちにどうやらダミーではないらしい、でもリハビリで治るかもしれないこと、半分は精神的なものであること、歩けないわけではないこと、などが判明し、少しほっとしました。
ただ、そこで気になるのは「精神的なもの」とはどういうことか、という部分ですよね。
・臨也さんが歩けない理由について精神的な理由で足が不自由であるとは、つまり歩けない理由があるわけで(厳密には歩けないわけではないんだけど)、それは一体何か。
「戒め」だという話もあとで出てきますが、それは「リハビリをしない理由」であり、歩けない直接の原因ではないですよね。
精神的な理由で足が自由に動かない、リハビリすれば動くようになるけれども戒めのためにリハビリするつもりはない。つまり歩けないのは戒めとは別の理由なわけで。
これは臨也さんの「逃げ」なのではないかと思っています。
怪我を治療するにあたり、最初は静雄に負けたことを認めたくなかったのではないかと。静雄を「化け物」にして、自分は「人間」でありたかった。「化け物に怪我を負わされて人間である自分は当然致命的な怪我を負った」という状況に自分を置きたかったのではないか。
「化け物」が実は人間だった、と思いたくなかった。だから歩けなくなった。
でも、その後、臨也さんは静雄に負けたことを認め、静雄が人間であることも認め、それを口にする段階まで来ている。ただ、自分の人間愛が不純だったから、「戒め」としてリハビリはしないと決めている。
ということは、もう「精神的なもの」は克服してるんじゃないのかな?
歩けないわけでもないし、あとはリハビリをする気にさえなれば、走り回れるんじゃないかな?
と期待しています。でもこの考えが合っているのかどうかいまいち自信がありません。ご意見聞かせて頂ければ嬉しいです。
あと車椅子に乗ったままスローイングナイフを投げるシーンはクソかっこよかったです。独自の鍛錬したんだ…リハビリしないくせに…
・臨也さんの周りの人たちについて遥人君と臨也さんのコンビの可愛さたるや…車椅子を押して走り回り、急ブレーキで放り出される臨也さんプライスレス…
でも遥人君が無邪気な分、垣間見える壊れっぷりがすごく怖い。
ひまりちゃんは、まあ普通に臨也さんを恨んでいて、でも子供だから行く当てもないので仕方なく、みたいな感じが普通の反応で、ある意味安心する。
坐さんは、あの臨也さんを心底軽蔑してる感じがとても素敵。でも自分はともかく娘夫婦を助けてくれた仁義を重んじて渋々ボディーガードやってるってのがいい。
相変わらず純粋に臨也さん本人を好きになってくれる人がいないのだけど(遥人くんをそこに含めていいのかどうか)、それが余計に「臨也さん、あなたにはやっぱり静雄しかいないのよ…?」という気分になりますね。
ところであの警察署長、柿沼さんね、「池袋署で臨也を散々いびった」とか「臨也呼び」とかどういうことですか?!ちょっとそこ詳しく。警察エリートと親密な臨也さんについて詳しく!!
・静雄との関係について静雄に負けたことを認め、静雄が人間であることを認めた臨也さんは、13巻を経ていきなり成長したんだなって(笑)
全力で正面からぶつかったから、やっと認められたんだなあと思います。
もうここまで来たら後はくっつくしかないですよね?!「もう逃げない」し、「ここに辿り着いたら正々堂々と相対する」と言っているので、静雄にはぜひ臨也さんを迎えに行って頂きたい。たぶん臨也さん自分からは帰ってこないから。
あと、静雄の臨也さんに対する感情にも変化現れてますよね!
臨也の静雄に対する執着にも気付いてるし、臨也は人間ではないと言っているのは自分と同じ化け物であるっていうことじゃないでしょうか。
そして生きていると知った後の、感慨深げな台詞!!早く臨也さんを迎えに行ってあげて!!